平成十年第三回
県議会定例会に当たり、
自由民主党県議団を代表して質問を申し上げます。
政治主導で景気対策と構造改革を進め、国際社会における大きな役割を果たしていくためには、政治の安定と国際社会の信頼が不可欠であります。しかるに先月の三十一日に北朝鮮から発射された
弾道ミサイルが、我が国の三陸沖に着弾したとの報道があるなど、大事件が発生いたしました。前もって政府は北朝鮮側に発射の中止を申し入れていたにもかかわらず、何らの事前通告もなく我が国の領土に落下する可能性も考慮せず、多数の船舶や航空機等が往来する空域や海域に着弾したことは、国際常識を無視した無謀かつ極めて危険な行為であります。特に、北朝鮮から発射され我が国土を飛び越えて三陸沖に着弾したことは、日本列島が完全にミサイルの射程範囲に入ったことを実証したわけであり、我が国の主権と安全保障を脅かす重大な問題であります。
この北朝鮮の行為は、北東アジアの平和と安定に重大な脅威を与え、ひいては国際社会全体に緊張をもたらす暴挙であり、
大量破壊兵器の拡散防止に向けた国際的努力を無視したものとして容認することは絶対にできません。我が国は北朝鮮に厳重に抗議したところでありますが、県議会としても事の重要性と緊急性にかんがみ、二度とこのような事態を繰り返すことのないよう、本議会の冒頭において抗議の決議をしたところであります。
そこで、知事は今回の事態をどのように受けとめておられるのか、お伺いをいたします。
次に、先般の第十八回
参議院議員選挙において、我が党は改選議席を大きく下回る非常に厳しい審判を受けました。バブル崩壊以降、
我が国経済を再び力強い回復軌道に乗せるため、減税や公共事業の拡大を行い、過去最大規模の
総合経済対策を推進しつつある中で、問題の根本的解決を図るため、金融改革、規制緩和、
行財政改革、
経済構造改革などに手をつけたものの、国民の理解が十分に得られなかったことを深く反省しつつ、今回の審判を率直に受けとめ、政権与党として必要な対策を責任を持って実行しなければなりません。幸い全国的な逆風の中で、本県においては至上命題であった選挙区二議席確保を果たすことができました。このことは井上、森山両候補が国家と郷土にとって必要な人材であり、県民の代表として高く評価していただいた結果であると存じます。この上は、参院選で示された我が党への期待と批判を真摯に受けとめ、景気対策を初め選挙に当たっての公約事項の実行を通して、県勢の発展と県民生活の安定向上に全力を挙げて取り組む所存であります。
このような中で、経済再生を目指して小渕新内閣が誕生し、六兆円を上回る恒久的な減税と事業規模で十兆円を超える追加補正を中心とした当面の景気対策とともに、
財政構造改革法の凍結による積極的な平成十一年度の予算編成と、本県の
重点要望事項の実現を強く期待しているところであります。また、井上議員の二度目の
北海道沖縄開発庁長官就任を心からお祝い申し上げ、今後の御活躍を期待してやみません。つきましては、
参議院選挙の結果と小渕新内閣の誕生を、知事はどのように受けとめておられるのか。
また、投票率の
長期的低落傾向の中にあって、前回平成七年の県内における投票率五一・二〇%のさらなる落ち込みが心配されたにもかかわらず、今回は六四・八五%と一三・六五ポイントの大幅な回復を示したことについて、
選挙管理委員会委員長の見解をお聞かせ願いたいのであります。
次に、行財政問題についてお尋ねいたします。
県内の経済動向は、最終需要が引き続き低迷し、企業活動も一段と慎重化しており、停滞感の強い状況となっております。このため県では国の
総合経済対策に対応し、上半期の公共事業の発注率を八二%に設定されたほか、六月補正を見送った自治体もある中で、いち早く五百八十六億円余りの補正予算を計上していただきましたが、今回さらに五百二十四億円という大型の補正を提案され、補正後の総額は一兆三百八十三億円となり、九月議会として初めて一兆円を超えることになりました。ところで、景気回復のためには、これらの
補正予算等の事業が一日も早く発注され、財政支出いわゆる真水が地域経済の末端まで速やかに行き渡る必要があります。また、立ちおくれている社会資本の整備や地域経済を発展させていくためには、年間を通して切れ目なく
公共事業等の事業を確保する必要があります。国においても、来年度の
概算要求基準では、本年度の第二次補正予算と来年度の当初予算とを一体として編成する十五カ月予算とすることや、本年度を上回る公共事業を確保するなど、景気回復を最優先に取り組む姿勢を示しております。県としても県内の経済動向や国の動きなどを考慮し、景気最優先で県政運営に当たるべきであると考えます。
そこで、第一点として、
公共事業等に係る予算の執行状況と事業執行のための体制充実について。
第二点として、九月
補正予算編成の
基本的考え方についてお聞かせください。
第三点は、本県の財政運営についてであります。本県財政は先般発表された九年度一般会計の
決算見込みによりますと、実質単年度収支は十年連続の黒字となったものの法人関係を主に税収が大きく落ち込んでおり、予断を許さない状況となっております。また景気の低迷が続いている中で、本年度も法人関係の税収は厳しい見通しにあるようであります。一方、歳入の減に対し、景気対策や
災害復旧等の歳出がふえたことなどから、借入金残高は前年度に比べ千百五十四億円も増加し、一般会計も県債残高は一兆八百億円余りとなり、中長期的な財政運営が懸念される状況になっております。そこで、九年度決算から見た本県財政の現状と、今後の財政運営についてお尋ねいたします。
第四点は、
未収債権対策についてであります。九年度末における未収債権の残高は前年度末に比べ二・五%の増と、増加の比率は小さくなったもののなお九十億円余りの大きな額となっております。このような状況に対し、
自民党県議団としても県民負担の公平性や納税意識の高揚を図る観点から、未収債権の回収対策を要請してきたところであります。県では平成八年二月に
未収債権対策プロジェクトチームを設置され、
夜間徴収ローラー作戦等による未収債権の回収に全庁を挙げて取り組んでこられたところであります。そこで、九年度の
決算見込みから見た未収債権の回収実績と、今後の取り組みについて明らかにしてください。
第五点は、十一年度の予算編成についてであります。先般示された国の十一年度予算の
概算要求基準は、厳しい経済情勢を踏まえて
財政構造改革法が凍結され、一般歳出は前年度に比べ一一%増という景気刺激型の予算の内容となっており、特に公共事業は
景気特別枠を含めて十年度当初予算の三〇%増になっております。御存じのとおり、本県は社会資本の整備がおくれているほか、公共事業への依存度が高いことから、
公共事業予算の積極的な確保を国に働きかけ、本県が必要とする社会資本の整備をこれを機会にさらに進め、地域振興を図る必要があると考えます。そこで、このような国の動きに対応し、十一年度の県予算をどのように編成されるのか。その基本的考えを示していただくとともに、十一年度の概算要求の中における
本県重点要望事項の盛り込み状況についてお伺いをいたします。
次に、行政改革についてお尋ねいたします。
二十一世紀の到来を目前に控え、
社会経済情勢が大きく変化しつつある中で、地方分権の推進は実施の段階に至り、
地方公共団体においては、みずからの責任において
社会経済情勢の変化に対応できるよう体質を強化し、個性的で活力ある地域社会の構築を図っていくことが必要であるほか、厳しい
財政状況下にあり、行政改革を一段と進めることが求められております。また中央省庁の再編については、
公共事業部門や環境行政の一元化を図るため、現行の二十二省庁体制を平成十三年度から一府十二省庁体制とすることも決定されております。このため、県では先般委員会を設置し、平成七年十二月に策定した
行政改革大綱の見直しの検討に着手されたと聞くところであります。
そこで、第一点として、
行政改革大綱見直しの背景や必要性、見直しの視点及び見直しのスケジュールについてお示しください。
第二点は、
外部監査制度についてであります。昨年五月に
地方自治法が改正され、来年四月からは弁護士や
公認会計士等の
外部監査人による包括的な
外部監査制度を導入することが義務づけられることになりました。
外部監査制度は、
地方公共団体の組織に属さない外部の専門的知識を有する人による監査という、
地方公共団体にとっては全く新しい制度であることから、現行の
監査委員制度の運用にも関連してくるものと思うのであります。そこで、
外部監査制度の趣旨と内容、及び
外部監査制度が導入された場合の現在の
監査委員制度との関連についてお伺いをいたします。
次に、地方分権についてお尋ねいたします。
地方分権の推進については、これまで四次にわたる
地方分権推進委員会の勧告を踏まえ、去る五月二十九日に
地方分権推進計画が閣議決定されたところであります。この計画によると、地方分権の推進は
地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図るため、各般の行政を展開する上で国及び
地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、住民に身近な行政を、できる限り身近な
地方公共団体において処理することを基本として行うこととされており、このため、政府は必要な法制上または財政上の措置等を講ずることとされているところであります。具体的には国と
地方公共団体の関係を対等協力の関係に改めるため、従来より各方面から批判の対象とされていた
機関委任事務を自治事務と
法定受託事務に再構築し、しかも条例、規則の制定権や議会の権限等が強化されることとなる自治事務のウエートを高めるとともに、国から市町村への権限移譲も進めることとされております。
そこで、このように地方分権がいよいよ実行段階に入ってきた中で、県における具体的な対応について明らかにされるとともに、市町村における地方分権の推進に当たって、県として考えておられる課題とそれらの課題に対する指導について、どのように考えておられるのか、お聞かせください。
次に、国際交流についてお尋ねいたします。
二十一世紀を目前にして、人、物、情報等が地球規模で行き交う
グローバル化の進展に伴い、諸外国との交流を、さらに積極的に進める必要があるとして、
総合基本計画の第三期実施計画においては、本県の地理的特性やこれまでの交流実績を踏まえ、
アジア地域との交流推進に重点を置いた
戦略プロジェクト、鹿児島新国際プランが展開されることになっております。我が国の南の交流拠点を目指す本県にとって、中国など
アジア地域とのさまざまな分野での交流を拡大し、
人的ネットワークの形成を推進することは非常に重要なことであり、
アジア地域に主眼を置いたいろいろな
国際交流事業が展開され、交流がますます盛んになることを期待しているところであります。
そこで、第一点として、本年度における
アジア地域との
国際交流事業の実施状況と、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
第二点は、
薩摩焼発祥四百周年事業についてであります。本年は薩摩焼が発祥して四百年という記念すべき節目の年に当たり、県では関係自治体、団体等と連携し、
薩摩焼発祥四百周年事業を実施することとされておりますが、薩摩焼を通して鹿児島を世界に情報発信できる絶好の機会であり、
イベント内容の工夫はもちろん広報宣伝にも、さらに積極的に
取り組み機運の醸成を図る必要があると思うのであります。またこの
薩摩焼発祥四百周年事業にあわせ
日韓外相会談の開催が計画されているようでありますが、これが実現をすれば
薩摩焼発祥四百周年事業の機運をさらに盛り上げ、鹿児島を内外に広くアピールできることから、積極的に取り組まれることを要請いたします。そこで、
薩摩焼発祥四百周年事業の実施に向けての取り組みと、
日韓外相会談開催の見通しについて明らかにしてください。あわせて今後の薩摩焼の振興に関連して
伝統的工芸品の指定について、どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
[
知事須賀龍郎君登壇]
5 ◯知事(須賀龍郎君)答弁に入ります前に、さきの台風六号によりまして負傷されました方々に対しまして心からお見舞い申し上げ、そしてまた一日も早い御回復を祈念申し上げます。
それでは、順次お答えしてまいります。
北朝鮮のミサイル発射問題につきましては、人工衛星であったのではないかという情報もございますが、いずれにいたしましても何の事前連絡もなく、多数の船舶や航空機が航行しております三陸沖の海上に落下した可能性があるということは極めて遺憾でありまして、このことは国際法を無視したものであり、我が国の主権を脅かす重大な問題であると考えております。政府といたしましては、直ちに北朝鮮に対しまして厳重に抗議をしましたほか、食糧等支援の見合わせ、
国交正常化交渉の方針変更などの措置を講じたとのことでございますが、今後とも政府は日本、韓国、アメリカの三者での協議や国連における対応など、あらゆる機会をとらえまして
情報交換等を行い、日本国としての毅然とした厳しい対応をとることを強く期待をいたしております。
さきの
参議院選挙の結果につきましては、国民が何よりも我が国の経済情勢を極めて深刻に受けとめ、その一日も早い回復を願っており、全体的には国民の国政に対する厳しい考え方が示されたものと受けとめております。小渕内閣に対しましては、低迷状態が長引いております日本経済の立て直しを初め、
金融システムの安定化、厳しい財政状況への対応など、内外ともに解決すべき課題が山積しておる今日、これらの課題の解決のための諸施策を積極的に推進され、我が国の繁栄と国民の福祉向上に努められるものと期待をいたしております。特に、この内閣は
経済再生内閣として位置づけられており、景気回復に向けた具体的な施策の推進に積極的に取り組まれますとともに、地方自治の立場からは実効性のある地方分権を推進し、新幹線や高
規格幹線道路など
高速交通体系を初めとする社会資本の整備等に当たっては、地域の実情に応じた施策の推進が図られますよう、特段の配慮をしていただきたいと考えております。
今回の九月補正予算につきましては、個人消費や設備投資など最終需要が低調で、依然低迷しております県内経済の動向等にも配慮いたしまして、一日も早い景気回復に向けまして国の
総合経済対策に呼応するものを含めまして、
公共事業等につきましては、さらに傾斜配分による事業費の確保に努めますとともに、県単公共事業につきましても積極的な対応を図りましたほか、当初予算編成後に生じました
追加財政需要等について、所要の措置を講じたところでございます。この結果、公共事業につきましては、対前年度九月現計比で一二〇・一%、県単公共事業につきましても、
災害関連事業を除いた対前年度九月現計比で一〇四・二%の事業費を確保したところであります。その結果、一般会計の補正額は全体で五百二十四億三千余万円となりまして、対前年度九月現計比で一〇五・九%の増となっております。今後一日も早い景気の回復が図られますよう、適切な予算執行に鋭意努めてまいる考えであります。
平成九年度の
一般会計決算見込みにおきましては、県税収入が主に法人二税の減収から四年ぶりに前年度を下回りましたほか、
地方交付税も伸び悩んでおり、また県債残高も平成九年度末で一兆円を超えるなど、本県の財政状況は年々厳しくなってきております。こうした中ではございますが、必要な社会資本の整備や
県総合基本計画第三期実施計画の着実な推進に取り組んでいく必要がありますので、従来にもまして徹底した事務事業の見直しを進めますとともに、今後とも県税収入などの自主財源の確保や、
地方交付税や
国庫支出金の充実確保を国に対しまして強く働きかけますなど、所要の財源の確保に努め、財政の健全性にも十分留意をしながら適切な財政運営を行ってまいる考えであります。
国の平成十一年度の概算要求につきましては、当面の景気回復に向け全力を尽くすという観点から、
財政構造改革法の凍結を前提とし、今後予定をしております二次補正予算と十一年度予算を一体のものとして編成するという基本的な考え方が示されております。総額四兆円の
景気対策臨時緊急特別枠を設定するほか、
公共事業関係につきましては五千億円の
配分重点化枠を設定するなどの方針が出されているところであります。一方、本県の来年度の予算につきましては、歳入面では県税収入の伸びも期待できないこと、歳出面では公債費等の義務的経費が増加してきておりますことなどから、例年にもまして厳しい予算編成を迫られるものと考えております。こうした中ではございますが、
地方交付税や
国庫支出金などの充実確保を国に対しまして強く働きかけますとともに、県税収入など自主財源の確保に努め、また歳出全般にわたる徹底した
整理合理化を行うことなどによりまして、所要の財源確保に努めながら、国の予算編成の動向や厳しさを増しております県内経済の動向等にも配慮しながら、必要な社会資本の整備や
県総合基本計画第三期実施計画の着実な推進、一日も早い景気の回復に向けて積極的な予算編成を行ってまいりたいと考えております。
国の来年度の予算編成に向けましては、
県開発促進協議会を通じまして、
九州新幹線鹿児島ルートや高
規格幹線道路等を初めとします
高速交通体系の整備促進、新たな
農業基本法の制定や
農業農村整備の推進、さらに来年三月をもって期限切れとなります
奄美群島振興開発特別措置法の延長など、奄美群島の振興並びに
離島振興対策の推進など、八十項目にわたりまして要望してきているところであります。各省庁の概算要求はその大半が全国枠での要求となっておりまして、本県の要望部分についての具体的状況につきましては、現段階では明らかとなっておらないものが多くございますが、各省庁の要求状況から見ますと、本県の要望項目はおおむね盛り込まれているものと考えております。
このような中におきまして、本県が中心となりまして要望してまいりました、離島航空路に対します
運航費補助制度の創設や、沖永良部島における
国営土地改良事業地区調査の新規採択、
東九州自動車道の
隼人東インターチェンジから
国分インターチェンジ間の供用開始に向けた事業費、
南九州西回り自動車道の隈之城から伊集院間の日本道路公団によります事業費などが要求されていることは明らかとなっております。国におきましては、現在
公共事業予算の大幅な増額など、景気回復に向けた積極的な予算編成に取り組んでおりますことから、本県としても
社会資本整備の状況や極めて厳しい
財政状況等を国に十分説明をし、
公共事業予算の一層の傾斜配分や地方財源の充実確保が図られるよう、年末の予算編成に向けまして、県議会の皆様方を初め
県選出国会議員並びに関係団体の方々の一層のお力添えをいただきながら、その実現に向けまして最大限の努力をしてまいる考えであります。
県政は、常に
社会経済情勢の変化に的確に対応した運営を行う必要がありますので、行政改革につきましては、平成七年十二月に策定いたしました鹿児島県
行政改革大綱に基づき、毎年度本庁や出先機関の組織機構の再編、事務事業の見直し、許認可事務の簡素合理化など、行政改革の推進に計画的かつ積極的に取り組んできているところであります。しかしながら、この
行政改革大綱の策定後、
県総合基本計画第三期実施計画を策定いたしますとともに、国におきましても
地方分権推進計画が決定され、また
中央省庁等改革基本法も制定されますなど、本県行政をめぐる情勢は大きく変化をしてきております。県といたしましては、現行の行政改革を基本といたしまして、これらの情勢の変化に対応した組織機構のあり方を検討することとし、現在、
行政改革推進委員会の意見をいただきながら見直し作業を行っているところでございます。この見直しにつきましては、年内には終えたいと考えておるところであります。
次は、
日韓外相会談の鹿児島開催につきましては、これまで日本の外務大臣並びに韓国の
外交通商部長官に再三にわたり要請を行ってきたところであります。先般、両国の大臣並びに長官が交代されましたので、改めて外務省に対しまして
日韓外相会談が、本県において開催されるように要請をしたところであります。鹿児島において日韓両国の
伝統文化等について語り合う機会が実現するならば、日韓の
文化交流促進にとりましても大変意義深いものがあると考えておりまして、今後とも鹿児島での会談の実現に向けまして、さらに関係者に対しまして御理解と御協力をお願いしてまいりたいと考えております。
6 ◯出納長(吉留史郎君)未収債権につきましては、昨年五月、
未収債権対策プロジェクトチームにおきまして、
未収債権ごとの具体的な
取り組み方策を決定いたしまして、全庁を挙げまして、その解消に向け鋭意取り組んできたところでございます。その結果、平成九年度は過年度分の
収入未済額の解消につきましては、前年度を一千八百万円上回ることができましたし、また
収入未済額の新規発生につきましては、前年度より一億六百万円少なくすることができたところでございます。特に
収入未済額全体の約四五%を占めております県税につきましては、平成三年度以降増加いたしておりました
収入未済額が減少に転じるなど、全体としては一定の成果が得られたものと考えております。
しかしながら、
中小企業近代化資金など、新規発生額が解消額を上回りましたため、平成九年度決算の
収入未済総額は九十億一千万円となりまして、前年度末を二億二千万円上回ったところでございます。このため、県といたしましては、引き続き
プロジェクトチームを中心に全庁的な
未収債権対策を推進することといたしまして、県税における県下一斉
夜間徴収ローラー作戦等の
徴収強化対策の継続実施や、本年四月に導入をいたしました
県営住宅使用料の
口座振替制度の普及を図るなど、未収債権の解消と発生の未然防止に向けた取り組みを、さらに強化してまいりたいと考えております。
7 ◯
選挙管理委員会委員長(鎌田六郎君)今回の参議院議員通常選挙におきまして、投票率が御指摘のとおり上がったのでございますが、これは公職選挙法の一部が改正されまして、投票時間の延長や不在者投票の事由が緩和されたこと、そういったことで有権者にとって投票しやすい環境、投票環境が整えられたこと、また関係機関、団体の御協力によりまして、投票への参加の呼びかけが積極的に行われたことなどによるものと考えております。少なくとも今回の公職選挙法の一部改正につきましては、投票率の低下傾向に一定の歯どめをかけることができたのではないかと認識いたしております。なお、選挙は国民が政治に参加する最も重要かつ基本的なチャンス、機会でございまして、積極的な参加は民主主義の健全な発展のために欠くことのできないものであることにかんがみまして、今後とも選挙の啓発に引き続き努力いたしたいと考えております。
以上です。
8 ◯総務部長(高田守國君)本年度の
公共事業等の執行につきましては、国の
総合経済対策や県内経済への配慮等から、お話がございましたように、上半期契約目標率を過去最高の八二%と設定をし、鋭意発注に努めているところでございますが、八月末までの契約率は六五・七%となっております。また六月に計上いたしました追加補正分につきましても鋭意事業執行に努めているところでございます。いずれにいたしましても、一日も早い県内景気の回復に向けて委託可能な業務はできる限り委託し、また用地取得のための非常勤職員の増員や新規採用予定者の前倒し採用など、実施可能なあらゆる措置を講じ、円滑な事業執行が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
現行の
監査委員制度による監査委員の監査は、財務監査、行政監査あるいは要求監査等、
地方公共団体の監査全般を行うものでございますが、今回導入される
外部監査制度は、
地方公共団体の監査機能の専門性、独立性の強化を図り、監査機能に対する住民の信頼を高めるという視点から、監査委員の行った監査と並行して弁護士や公認会計士、税理士など監査等の実務に精通した外部の専門家により特定の事項について監査を行うものでございます。
外部監査制度には特定の事項につきまして、毎会計年度実施をいたします包括外部監査と、議会や長、住民からの請求に基づき個別の案件ごとに実施をいたします個別外部監査の二つの種類がございますが、いずれも
地方公共団体と
外部監査人との契約に基づいて実施されるものでございます。
地方分権の推進につきましては、現在、職員の政策形成能力を高めるための各種研修の実施、国や民間企業、海外への職員の積極的な派遣、県と市町村との人事交流、市町村への計画的な権限移譲等に取り組んでいるところでございます。あわせまして真に実効性のある地方分権を実現いたしますため、地方税や
地方交付税を初めとする地方税財源の充実確保につきまして、全国知事会等関係団体や市町村とも一体となりまして、開発促進協議会等を通じ国に対し強く要請を行っているところでございます。今後とも地方分権の推進が図られますよう職員の人材育成、組織体制の充実に努めますとともに、国に対し地方税財源の充実につきまして引き続き要請を行ってまいりたいと考えております。
市町村における地方分権の推進につきましては、それぞれの市町村において
行財政改革の推進をされますとともに、職員の事務能力を高める研修体制を強化し、また広域的な行政需要や、新しい高度な課題に対応できる体制の整備を促進する必要があると考えております。このため、県といたしましては市町村に対し計画的な定員管理や徹底した事務事業の見直し、また自治研修センターでの専門的な研修や、県との人事交流制度等の活用による人材の育成等に努められるよう指導しているところでございます。
さらに、広域行政の推進につきましては、市町村を初め県民の方々を対象に、シンポジウムの開催、アドバイザーの派遣、パンフレットの配布、あるいは自主的な調査研究事業に対する財政支援など、各種の施策を講じているところでございます。今後とも市町村における地方分権の円滑な推進が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
アジア地域との本年度の交流事業につきましては、去る八月第一回鹿児島県・江蘇省交流協議会を開催し、今後、毎年経済、文化、観光など各分野における交流の進め方等について協議していくことが合意をされました。また、去る九月四日に第十一回鹿児島・香港交流会議を鹿児島市で開催し、香港市政局や香港の各界代表者との意見交換を初め文化、スポーツ、産業、貿易、観光の各分野で協議やセミナー等を行い、今後一層の交流促進を図ることを確認をいたしたところでございます。さらに、本年十月から十一月にかけて実施をいたします
薩摩焼発祥四百周年事業におきましても記念式典、文化・スポーツ等のイベントを通じ韓国、香港等の方々との交流を深めることといたしているところでございます。
このほか青少年の中国、韓国への派遣、上海でのアンテナショップへの参加など、各分野で多くの交流がなされているところでございます。なお、本年度は新たにアジア各地域の
人的ネットワークの形成を推進をいたしますため、香港、シンガポール、韓国におきましてアジア鹿児島クラブを設立をすることを考えておりまして、現在その準備を進めているところでございます。今後とも交流会議や新たに設立するアジア鹿児島クラブの活用などを通じ、一層の交流促進に努めてまいりたいと考えております。
薩摩焼発祥四百周年事業は、お話がございましたように、薩摩焼の陶芸技法が朝鮮半島から渡来して四百周年を迎えることを記念して行うものでございますが、この事業は南の拠点鹿児島を内外に広くアピールする絶好の機会であると考えております。このため、韓国側の御協力、御支援をいただきますため、去る七月五日から八日にかけまして須賀知事、溝口議長さんを初め県議会の方々、また経済界の代表者の方々がソウルを訪問され、韓国政府やマスコミ、旅行エージェント等に対し
薩摩焼発祥四百周年事業の広報宣伝と協力依頼を行っていただきました。また国内的には関係機関、団体等とも連携を図りながら観光キャラバン隊による広報宣伝、JR西鹿児島駅や鹿児島空港における広告ボードの設置、民間航空機の機内誌やJR九州の社内誌への記事の掲載、JR九州主要駅へのポスターの掲示、観光物産展等における広報、記念切手の発行など、この事業の実施に向け機運の醸成を図っているところでございます。
さらに、県内外はもとより海外の関係機関、団体等に対しましてもポスターやリーフレットを配布、インターネットのホームページの開設などを通じまして広報宣伝を行っているところでございます。今後とも実行委員会を中心に関係自治体等とも一体となって事業の成功に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、県議会の先生方にも御支援、御協力を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
9 ◯商工労働部長(松尾隆之君)国の
伝統的工芸品として指定を受けるためには、申請者は工芸品を製造する事業者を構成員とする事業協同組合等の法人であることや、その製造過程の主要部分が手工業的であること、伝統的な技術または技法により製造されるものであることなどの要件があります。このような中で、薩摩焼の
伝統的工芸品の指定につきましては、昨年八月六日、鹿児島県陶業協同組合が設立されたことにより申請主体としての要件は整ったところでございます。鹿児島県陶業協同組合におきましては、薩摩焼についての多様な技術、技法がある中で、伝統的な技術、技法の定義づけ等を現在検討しているところであり、県といたしましては、今後鹿児島県陶業協同組合を中心に伝統的な技術または技法についての合意形成と、国指定に向けた取り組みが進められるよう指導してまいりたいと考えております。
[
田之上耕三君登壇]
10
◯田之上耕三君 それぞれ御答弁をいただきました。
既に六月議会において、過去最大規模の補正を組んでいただいたのに、今回も大きな補正を提案されました。厳しい財政状況のもとで県債残高は最高を記録して、年間予算額を上回る見込みであることから、早く今日の景気の低迷状態を克服し、財政的にも安定を確保することができるように期待してやみません。
未収債権の回収については、過年度分の解消に努めるとともに、新規の発生を抑制していただきたい。県営住宅で入居から十一年余りの使用料を支払っていない人もあったようで、許されることではありません。引き続いての適正な回収措置を要請いたします。
十一年度の予算編成については、
財政構造改革法が凍結され、本年度を三〇%上回る公共事業が要求される中で、本県としては傾斜配分の確保に努め、第三期実施計画二年目の円滑な実施を図っていただきたい。
地方分権推進計画も決定され、いよいよ具体的な施策が実施されることになりますが、地方分権の推進に伴い地方自治体がみずから考え、みずから決定する範囲が拡大してまいります。したがって、地方分権を本当に効果的なものにするためには、地方自治体の受け皿を強化するとともに、執行部を監視し、政策を立案し、県としての意思を決定する議会の充実強化を図らなければならないことは言うまでもありません。
薩摩焼発祥四百周年事業も間もなく開催されますが、単に四百年を回顧する後ろ向きのお祭りとしてでなく、二十一世紀に向けて本県薩摩焼のさらなる振興と、韓国を初めアジア諸国との交流の一層の拡大に資する前向きの事業になるように期待を申し上げ、次に防災対策についてお尋ねいたします。
県民が安心して生活できる災害に強い県土づくりを目指して、第三期実施計画等に基づき災害危険個所の掌握点検と周知徹底、市町村防災行政無線の整備促進及び自主防災組織の育成強化など、各種の防災施策を積極的に進めておられるところでありますが、被害軽減と未然防止の一つとして一般県民へ情報を早く正確に伝えることは防災対策の基本となる重要なことであります。このため、県では本年度県の震度情報を気象台とオンライン化することや、消防防災ヘリコプターから被害状況の映像を伝えるヘリコプターテレビ伝送システム等を整備することとされておりますが、災害はいつ起こるとも限らないことから、これらのシステムが一日も早く整備され、防災対策に効果を発揮することを期待しているところであります。
そこで、震度情報のオンライン化など、本年度における各種防災システムの整備状況を示していただくとともに、六月二十六日から本格運航され、先般の硫黄島の山林火災でも空中消火活動を行ったとお聞きしているヘリコプターの今までの出動実績と、その効果を明らかにしてください。
次に、日米共同訓練についてお尋ねいたします。
姶良郡吉松町と宮崎県えびの市にまたがる自衛隊の霧島演習場において、本年十一月に日米共同訓練が実施されることが先般発表されましたが、何分初めてのことであり、地元ではこの訓練の実施に不安の声が一部出ております。ところで、国家の防衛につきましては、独立国として自国の安全を確保することは国家の大切な責務であり、我が国は日本国憲法のもと外交努力により自国の平和と安全の確保を図っているところであります。しかし北朝鮮のミサイル発射の例もあるとおり、我が国の安全保障の上から、適切な規模の防衛力の整備を進める一方、日米安保体制の堅持により我が国の平和と安全を確保しなければならないことは当然であり、日米両国は日米安保体制の信頼性と紛争抑止効果の維持向上に資するため、従来から日米共同訓練を行ってきているところであります。この共同訓練は、それぞれの戦術、技能の向上を図る上で有効であるとともに、平素からの相互理解と意思疎通を促進し、有事における日米共同行動を円滑に行うために不可欠なものであります。
今回、霧島演習場で計画されている日米共同訓練も、このような必要性と国家的な取り組みの中で計画されたものでありますが、騒音や移動中の事故、治安など演習に係る安全確保等について、地元への十分な説明が行われるよう県としても要望する必要があると思うのであります。
そこで、今まで国内で行われてきた日米共同訓練においてトラブルが発生したことはないのか。あわせて今回の日米共同訓練に係る国からの連絡内容と、訓練の実施に対し県としてどのような要望を出されたのか、お伺いいたします。
次に、警察行政についてお尋ねいたします。
県内の治安情勢は価値観の多様化や国際化の進展等に伴う
社会経済情勢の変化を背景に、刑法犯の認知件数は年々増加傾向にあり、殺人や強盗等の重要犯罪では国分市での強盗殺人事件、鹿児島市での殺人放火事件など、県民生活を脅かす凶悪な事件も発生しております。また少年非行では刑法犯による検挙、補導人員が増加する傾向にあるほか、非行の悪質、凶悪化が一段と進み、深刻の度合いが増しているようであります。さらに最近では和歌山県や新潟県、長野県等で毒物混入事件が連続して発生するなど、県民の治安に対する不安は高まっており、警察の一層の活躍が期待されるところであります。
そこで、警察庁の国際第二課長から着任された小野警察本部長に、就任の感想と本県警察行政推進への決意についてお伺いをいたします。
第二点は、青少年対策についてであります。最近の少年非行は戦後第四の上昇期にあると言われており、全国的に刑法犯、少年の検挙、補導人員が増加しております。本県においては前年度に比べ若干の減少を見せているものの、依然としてその発生は高い水準で移行しており、悪質、凶悪化する少年非行に対する県民の不安は高まっております。少年非行防止のためには家庭、学校、地域社会が連携し、地道に取り組む必要がありますが、凶悪化する少年を指導するには限界も見られ、警察による指導取り締まりの強化が求められております。このような状況に対し、警察庁では重大犯罪の予兆となる不良行為の段階での対応が重要とし、捜査とは別に補導や相談を専門に少年を支援する少年サポートセンターを設置することなどを内容とする総合的な少年非行対策プログラムをまとめたところであります。そこで、県における少年サポートセンターの設置の予定など、少年非行対策の強化についてお聞かせください。
次に、心の教育と鹿児島県の教育の特色についてお尋ねいたします。
県教委から発せられる本県教育に関する基本方針として、「郷土の教育的な伝統や風土を生かし」という表現があります。これは鹿児島の伝統的なものとして具体的にどういった教育を行おうとしておられるのか。他県との比較において、まず本県の教育の特色について明らかにしていただきたいのであります。
さて、全国の不登校の小中学生は十万人を突破し、県内でも千二百四十人と過去最高となっております。県ではスクールカウンセラーを配置するとともに、九月からは心の教室相談員も配置されることになっておりますが、一方、問題行動を起こした児童生徒に対しては、場合によっては出席停止などの措置もとられることになっております。
そこで、第一点として、学校嫌いを理由とした長期欠席者、いわゆる不登校が増加したことについて、県はどのように考えておられるのか。また、その対策としてはどのような方策を考えておられるのか。
第二点として、心の教室相談員の具体的な業務内容及び配置状況について。
第三点として、鹿児島県が心の教育を進めるに当たって、伝統ある鹿児島の郷土教育をどのように生かしていかれるのか。
第四点として、六月議会において問題行動を起こした児童生徒に対する出席停止等について、学校長がためらいなく取り組むことができるよう具体的指針をつくり、二学期から運用できるようにしたいということでありましたが、どのようになっているのか、お伺いをいたします。
次に、放送大学鹿児島学習センターについてお尋ねいたします。
放送大学は、我が党の先人たちの尽力によって、昭和五十八年に設置されましたが、これまで放送授業を取聴できる地域が関東地域の一部に限られていたのに、ことし一月から、通信衛星を利用して、念願であった全国放送が開始され、本県においては、間もなく十月から開校されることになりました。
放送大学は、県民がテレビ・ラジオ放送等により、いつでもだれでも大学教育を受ける機会を提供するものであり、今回の開校は、生涯学習を進める本県にとって、大きな前進となることを期待するものであります。
そこで、本県の生涯学習を推進するための鹿児島県民大学において、放送大学鹿児島学習センターの機能をどのように位置づけ、活用していくおつもりか。また、今回の鹿児島学習センターへの出願は、どのような状況にあるのかお聞かせください。
ところで、今回設置されるのは旧県庁舎内であります。当然新しい県民大学中央センターができ上がりますと、そこに移設をしなければならないわけですが、機材等の設備については、どのような対応をしようとしておられるのか明らかにしてください。
次に、教職員の採用と配置についてお尋ねいたします。
昨今、校区内に居住する教職員が非常に少なく、地域住民からの不満の声も聞こえており、心の教育を推進する上からも、学校と地域との連携、信頼関係がうまくいかないのではないかと思うのであります。
そこで、第一点として、教員の校区内居住の現状と校区内に住めない事情を明らかにされるとともに、県教委の指導についてお尋ねいたします。
第二点は、同一校の勤務年数についてでありますが、伝統ある校風の確立や特色ある学校づくりという点、さらには地域に密着した文化の振興やスポーツ等の競技力向上を図る上からも、現在の勤務年数では余りよい結果を出しにくいのではないかと考えます。僻地・離島を抱え、標準勤務年数の制度が定着しているわけでありますが、改めて検討し、現在の標準勤務年数にもっと弾力性を持たせるべきではないか、お答えください。
第三点は、競技力の向上ということから、全国唯一の国立の鹿屋体育大学を有する本県の特色を十分に生かして、鹿屋体育大学の卒業生を積極的に採用し、競技力の向上を図っていくべきではないか。
また、学校の教師だけでなく、市町村の職員や地域も一体となって協力し合い、全県的な取り組みを図っていくべきではないかと思いますが、県教委のお考えをお聞かせください。
次に、上野原遺跡整備基本構想等の策定についてお尋ねいたします。
上野原遺跡の保存・活用については、上野原遺跡保存・活用検討委員会における意見を参考に、六月に整備構想の骨子案が示されましたが、これまでの検討やいろいろの意見等を踏まえて、その後どのような取りまとめの状況にあるのか。
また、基本構想に引き続く基本計画の策定については、早期の整備を図るべきであると考えますが、具体的な取り組みの状況を明らかにしてください。
[
知事須賀龍郎君登壇]
11 ◯知事(須賀龍郎君)日米共同訓練につきましては、去る八月六日に防衛庁の方から、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊との共同訓練を十一月上旬から中旬にかけて、霧島演習場と熊本県の大矢野原演習場で実施することが決定されたという連絡を受けております。
その連絡内容につきましては、通信訓練や衛生訓練などの機能別訓練と総合訓練の実施。実弾射撃訓練は、霧島演習場では実施しないとのこと。参加人員は、日本側が一千名程度、アメリカ側が七百名程度を見込んでいること。アメリカ海兵隊の九州入りについては、空路で入る可能性が高く、港湾を使う可能性は低いことなどが示されているところであります。
県といたしましては、日米共同訓練の実施に当たっては、住民生活に支障が生じないよう、事故防止や治安対策など住民の安全確保に十分配慮されるよう国に強く要請をしたところであります。
なお、訓練内容の細部につきましては、日米間で現在、調整中とのことでありまして、県といたしましても、さらに情報収集に努めながら、また、連絡があり次第、県議会の御意見等も承りながら適切に対応してまいりたいと考えております。
また、これまで国内で実施いたしました日米共同訓練におきましては、北海道でジェット戦闘機が低空飛行を行いましたために、その爆音により暴走した競走馬に被害が生じた例はあると聞いておりますが、北海道を含めまして、その他の地域での共同訓練におきまして、人身事故等の事例はないと聞いております。
次は、上野原遺跡の保存・活用につきましては、去る六月県議会におきまして、上野原遺跡整備構想骨子案に対しましていろいろと御論議をいただいたところであります。この御論議を踏まえながら、「上野原縄文の森」──これは仮称でありますけれども──上野原縄文の森としての整備することといたしまして、現在、その基本構想の取りまとめを行っているところであります。
その内容につきましては、上野原遺跡の適切な保存に努めますとともに、縄文の世界と向き合い、学び、親しむ場の形成を目指すことといたしております。
また、南の縄文文化を核にいたしました調査・研究を初め体験・交流・学習等の拠点となるようなものとして取りまとめてまいりたいと考えております。
今後の取り組みにつきましては、本年度中に基本計画を策定をし、来年度には基本設計、実施設計を進めまして、一部施設につきましては、工事に着手をしたいと考えております。
12 ◯総務部長(高田守國君)平成十年度の防災情報システムの整備状況についてでございますが、県の震度情報ネットワークシステムと気象台とのオンライン化につきましては、八月末に接続を終え、現在、気象台において試験運用を行っておりますが、現時点では、百十二カ所のうち七十六カ所につきましては、本年十月から、残りの三十六カ所につきましては、来年四月ごろ運用を開始できるものと考えております。
このように最終需要は低調となっておりまして、県内経済につきましては、依然として低迷していると認識をいたしております。
県といたしましては、県内経済の動向等にも十分配慮し、これまでも
公共事業等の傾斜配分によります事業費の確保や中小企業の金融対策として、金利の引き下げ、融資条件の緩和、融資枠の拡大、保証料率の引き上げなどにも努めてきたところでありますが、今回の補正予算におきましても、一日も早い景気回復に向けまして、国の
総合経済対策に呼応するものを含めまして、
公共事業等につきましても、さらに傾斜配分による事業費の確保に努めますとともに、県単公共事業につきましても、積極的な対応を図ってきたところであります。今後とも県内景気の動向などを注視し、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
鹿児島ビジネスサポートセンターの入居企業の選定につきましては、首都圏での事業活動の必要性、事業展開の意欲、事業の発展可能性、業種のバランス等をもとにいたしまして、利用者選考委員会での総合的な検討結果を踏まえて決定をしたところであります。
入居企業に対しましては、貸しブースや商談室を初め、ファックスなどのサービスの提供を行っているところであります。
また、入居企業へのアドバイスや消費動向を的確にとらえた商品開発や営業活動の強化によります受注拡大のために、民間企業のOBの方を鹿児島技術サポートセンター所長として配置をいたしまして、ビジネス上の情報収集、指導、助言、営業先等の紹介のほか、入居企業相互の情報交換の場の提供など、今後とも事業活動の側面的な支援を行うことといたしております。
なお、他の主要都市における技術サポートセンターの設置可能性につきましては、東京におきます成果や県内企業の進出意向等も見きわめながら、今後、検討してまいりたいと考えております。
また、遊楽館的なものを関西や福岡に設置することにつきましては、県外事務所との連携も図りながら、現地の市場動向や東京におきます運営、ノーハウの蓄積、関係機関・団体、企業等の意向も踏まえながら、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
17 ◯商工労働部長(松尾隆之君)中小企業を取り巻く経済情勢にかんがみ、県中小企業融資制度につきまして、去る六月に融資率の引き下げ、長期運転資金などの融資枠の拡大、保証料の引き下げなど融資保証条件を改善したところでございます。
さらに、県信用保証協会の経営基盤をより一層強固にし、保証能力を高めるため、同協会に出捐を行うとともに、担保の徴求についても一層の弾力的な対応を取るよう要請したところでございます。
この結果、八月末における今年度の県中小企業融資制度の融資実績は、対前年度同期比で見ますと、長期運転資金では一二二・六%、小口資金では一〇一・六%となっております。
また、県信用保証協会の今年度の保証承諾は、八月末で、対前年同期比一二〇%で、特に無担保保証は一六七・六%となっております。
国におきましては、去る八月二十八日、中小企業等貸し渋り大綱対策の閣議決定がなされ、中小企業に対する信用補完制度の拡充、政府系金融機関の融資制度の拡充等を講じることになりました。
これに基づきまして、保証要件を緩和した特別の保証制度の創設や中小企業信用保険法の無担保保険、特別小口保険の保険限度額の引き上げなどの措置を行うこととしております。
本県におきましても、国の改正に合わせまして、県融資制度の小口資金、特別資金等の融資限度額を現行七百五十万円から一千万円に引き上げることとしております。
県内中小企業に対する金融支援につきましては、国や関係機関とも連携を密にするとともに、引き続き各般の制度を活用するなど迅速・的確に対応してまいりたいと考えております。
次に、第三期国分・隼人テクノポリス開発計画につきましては、これまでの実績や環境変化を踏まえまして、平成十二年度を目標年次とし、
県総合基本計画第三期実施計画との整合性を図るとともに、国が示した開発指針に沿いまして、産・学・官連携による研究開発活動の一層の活発化、起業化の推進、創造的企業の育成・創出や企業立地の積極的展開、活力ある産業と社会を支えるインフラ整備等進めることとしております。
起業化支援センターにつきましては、研究開発から企業化までの技術面から資金面、経営面に至るまで、大学、県、民間の既存の支援機関の連携による総合的支援体制を整備する中で、その中心的役割を果たす機関として設けることとしております。
県といたしましては、起業化支援センターを核に企業化サイドからのさまざまなニーズに対しまして、情報提供や助言・指導、コーディネート等を行い、県、大学等の有する技術シーズや研究開発成果の活用など産・学・官連携や技術移転を積極的に進めたいと考えております。
工業技術センター等の所有する特許等につきましては、工業技術センター及び大島紬技術指導センターの研究成果として、特許権を取得したものが二十一件、出願中のものが十八件、合計三十九件ございます。
県といたしましては、これら特許や技術が有効に活用されるようPRに努めており、竹平板の製造装置や大島紬の摩擦による色落ち防止法など七件の特許につきましては、十企業と特許使用契約をし、その活用を図っているところでございます。
また、シラスを細かく粉砕し、加熱処理した微粒子シラスバルーンを使った製品の開発、電子ノイズによる電子機器の誤作動を事前に防止する装置の開発等、産・学・官共同研究の起業化や特許の実用化に努めているところであります。
今後とも産・学・官の連携を一層強化するとともに、新商品の開発や新規産業の創出に努めてまいりたいと考えております。
竹平板につきましては、工業技術センターで平成六年に研究開発し、その製造方法及び装置の特許を取得しており、建築材のフローリング、壁板等として製品化され、これまで主として個人住宅向け建築へ利用されてきておりますが、平成九年度からは、国分高校を初め、宮之城農業高校、宮之城高校など公的施設の建築資材としての活用にも努めております。
今後とも公的施設での活用はもとより、個人建築向けの低コスト化のため、工業技術センターにおきまして、竹平板をさらに薄くする技術開発を進めるとともに、竹手すりの製作商品化、東京遊楽館での展示、毎年十月福岡で開催される九州産業フェアや、十一月に宮之城町で開催される全国竹の大会への出品・展示などを通じてPRし、県内外での販路拡大の支援に努めてまいりたいと考えております。
霧島くりの中核工業団地につきましては、
県総合基本計画の
戦略プロジェクト、鹿児島空港都市の建設の一環として、空港やインターチェンジに近接した栗野町米永地区に豊かな自然環境を生かした環境共生型の開発を行い、高付加価値型のハイテク企業や研究開発型企業など地域の産業をリードし、地域経済の活性化に寄与する中核的産業拠点を整備することとしております。
平成十年度は、現在、共同事業者である地域振興整備公団において基本設計の策定を行っているところでございます。
これを待って、関連公共事業費の調整や土地取得の準備など諸般の手続を進め、国の事業採択を目指すこととしております。
また、今後の企業立地の展望につきましては、栗野町を含む姶良地域におきまして、造成済み工業団地二十一団地のうち十八団地はすべて分譲済みであること。この地域が交通インフラに恵まれ、かつ当該地域にはIC関連企業等の工業集積があるなど、すぐれた立地条件を備えていることから、企業の立地が期待できるものと考えております。
観光客の誘致につきましては、観光かごしまテンミリオンプランを積極的に推進しているところであり、特に観光客のニーズが高まりつつある自然・健康・体験志向等に対応して、鹿児島の新しい観光素材の発掘や新たな旅のメニューづくりに取り組んでいるところでございます。
薩摩焼発祥四百周年につきましては、これまでポスターや窯元パンフレットの作成・配布等による広報宣伝に努めたほか、マスコミ・旅行エージェントの招待や旅行商品の企画、韓国の旅行業者等へのセールス活動など各種の誘客対策に積極的に取り組んだところでございます。
また、来年のザビエル上陸四百五十周年につきましては、リスボン国際博覧会等でのリーフレットの配布や外国プレスの招待、歴史街道マップの作成・配布など国内外への情報発信に努めているところでございます。
今後とも観光鹿児島大キャンペーン推進など民間と行政が一体となって観光客の誘客に努めてまいりたいと考えております。
物産観光センターにつきましては、これまで他県の類似施設の調査に加え、関係業界や団体等からの意見を聴取したほか、建設適地の情報収集などを実施してまいりました。
それによると、多くの施設が集客、採算性で課題を抱えており、設置場所を初め、整備すべき機能や施設内容等最近の経済状況をも踏まえながら、どのような展開を行うか、慎重に検討する必要があると考えております。
今後は、これまでの調査結果なども踏まえ、設置場所や他の施設との複合化、連携の可能性などについて検討を加え、関係業界・団体等の意見を参考にしながら、所要の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
緊急雇用開発プログラムにつきましては、具体的には、第一に、雇用調整助成金の拡充による雇用維持の支援、出向再就職のあっせん等による失業なき労働移動の支援。第二に、離職者の再就職を促進するため、特定求職者雇用開発助成金の拡充や求人確保のための求人開拓推進員の増員、並びに公共職業訓練の機動的・弾力的な実施。第三に、雇用環境の厳しい地域における雇用創出の支援やベンチャー企業等中小企業の支援等を行うこととなっております。
経済団体、各企業に対して、このようなプログラムにつきまして周知徹底を努めているところでございます。
また、県におきましても、
総合基本計画の第三期実施計画で、活力産業創造プランを掲げ、新規産業の創出等を支援することとしており、これとあわせて本緊急雇用開発プログラムに盛り込まれた各種雇用援護制度の積極的な活用を図りながら、一層の雇用の開発・安定に努めてまいりたいと考えております。
来春の新規学卒者の採用選考は始まっておりますが、八月末までの県下公共職業安定所における県内の求人受理状況を見ますと、前年同期に比べ、高校で約三割、大学等で約二割減少しており、新規学卒者にとっては極めて厳しい状況でございます。
県といたしましては、これまで経済団体に対し、採用枠拡大と早期求人申し込みの要請を行ったほか、高校生を対象とした職場見学の実施や県内企業と高校就職指導担当者との情報交換会を開催したところであり、さらに三十人以上規模の県内企業約二千二百社に対し、八月末に求人確保の要請を行ったところでございます。
今後とも関係団体や学校との連携を密にしながら一層の求人の確保を図るとともに、十月六日には、大学等の就職面接会を開催するなど、さらに就職促進に努めてまいりたいと考えております。
18 ◯企画部長(和田正道君)鹿児島臨空団地につきましては、現在、用地買収がほぼ終了いたしましておることから、本年度中に測量や実施設計に着手し、平成十一年度には、調整池や団地内道路等の整備を行うことといたしております。
この団地への企業誘致につきましては、昨年十月に県内外の企業に対し、立地意向調査を実施いたしましたところ、数社から、条件が合えばこの団地への進出を検討したいとの回答がございました。
今後、全庁的な体制のもとに企業訪問を行うなど、この団地への企業誘致に努めてまいりたい、このように考えております。
19 ◯保健福祉部長(矢島鉄也君)国立療養所霧島病院の統合問題につきましては、平成十年四月二十一日に隼人町地域医療審議会から国立療養所霧島病院については、隼人町が単独で引き受けた上で姶良郡医師会へ管理委託し、地域の中核的医療センターとして展開することが望ましいとの答申がなされたところでございます。
県といたしましては、地域医療の確保・充実を図ることが重要であると考えておりまして、今後とも町とも十分連携を図りながら、地域の医療事情、地元意向が反映されるよう国に対して要望するなど、引き続き適切に対処してまいりたいと考えております。
旧国立療養所阿久根病院は、平成元年十月に出水郡医師会へ経営委譲され、出水郡医師会立阿久根市民病院として開設をされております。
委譲後は、診療科目、病床数等の充実・強化が図られた結果、患者数が大幅に増加しておりまして、委譲後の経営も順調であるなど、地域の中核的医療機関の役割を果たしております。
また、旧国立療養所志布志病院は、平成九年十二月に曽於郡医師会へ経営委譲され、曽於郡医師会立有明病院として開設されております。
現在は、診療科目の増設や療養型病床群の整備などに取り組んでおり、入院及び外来患者も前年同期に比べ増加しているなど、順調に経営がなされておるというふうに考えております。
[
田之上耕三君登壇]
20
◯田之上耕三君 御答弁をいただきました。
中小企業金融対策について、融資枠の拡大や融資条件の緩和、信用保証の強化などが図られておりますが、景気の低迷状態が続いていることから、我が党は、中小企業等貸し渋り対策大綱を定め、特に信用保証面における対策を強化しようとしているところであります。
テクノポリス第三期計画が承認されましたが、国が示した開発指針に沿って、産・学・官連携の強化等による研究開発活動の活発化や企業化支援センターの設置などによって、今後、テクノポリスの一層の発展が図られるよう要請いたしておきます。
以上、行財政問題を初め、日米共同訓練や商工労働、教育問題などについてお尋ねしてまいりました。当面、県政最大の課題は、景気の回復であり、景気対策であります。
今回、六月補正に続いて公共事業を中心とした大型の補正を提案していただきました。今後とも県内景気の動向を注視し、適切な対応をしていただきますよう強くお願いをいたしまして、
自由民主党県議団の代表質問午前の部を終わります。
午後は池畑議員に引き継ぎますので、よろしくお願いをいたします。
ありがとうございました。(拍手)
21 ◯議長(溝口宏二君)ここで休憩いたします。
再開は午後一時十五分からといたします。
午後零時 一分休憩
─────────────
午後一時十五分開議
22 ◯議長(溝口宏二君)再開いたします。
池畑憲一君に発言を許可いたします。
[池畑憲一君登壇](拍手)
23 ◯池畑憲一君 午前中に引き続きまして、
自由民主党県議団の代表質問を続けてまいります。
まず、宇宙開発に関連してお尋ねいたします。
県は、次世代の宇宙開発の中心となる宇宙往還機の開発計画を積極的に支援するため、平成七年十二月に馬毛島に宇宙往還機の着陸場を誘致することを決定され、開発促進協議会を通じ、官民一体となって国や関係団体に積極的に働きかけてこられましたが、先日の新聞で「日本版スペースシャトルや次世代ロケットなどの研究開発が中部太平洋赤道直下のキリバス共和国
クリスマス島を舞台に展開される見通しになった」と報道されたことから、このことが馬毛島への宇宙往還機着陸場誘致にどのような影響があると考えられるのか。また、種子島宇宙センターの位置づけに変化はないのか、お伺いをいたします。
次に、航空路線の維持対策についてお尋ねいたします。
第一は、エアーニッポン奄美・沖縄路線の維持対策についてであります。奄美と沖縄は古来より、地理的にも歴史的にも極めて深いつながりを持ちながら、今日まで営々として独自の文化圏域を形づくってまいりました。情熱と活気あふれる踊りの舞いや、哀愁を帯びた島うたの響きは、まさに他に類を見ない琉球文化の貴重な産物にほかなりません。航空路線は両地域のそのような、とうといきずなをはぐくむかけがえのない生命線でありますだけに、エアーニッポンによる今回の運航休止表明が地域に与えた衝撃の大きさは計り知れないものがあります。幸い、知事みずからの熱心な存続要請や関係市町村、団体による賢明な存続運動のかいあって、当初七月からの運航休止が九月、十月、さらには十一月まで延期され、関係者一同つかの間ではありますが、胸をなで下ろしたところであります。しかしながら、現実には利用促進キャンペーンツアーなど、各般にわたる利用促進活動にもかかわらず、利用率は依然として低迷したままであり、運航休止を目前に控えた今、このままで推移するとエアーニッポンによる路線の維持は極めて厳しいものと推察せざるを得ません。県においては、厳しい離島空路の維持を図るため関係道県とともに、離島空路整備法の制定を国に要望しておられるところであります。
そこで第一点として、離島空路整備法制定の見直しについて。
第二点として、路線維持に向けた現在の取り組み状況と、今後の見通しについて。
第三点として、仮にエアーニッポンによる継続運航が不可能となった場合、他社の継承による路線維持が可能な状況にあるのか、明らかにしていただきたいのであります。
第二は、国際航空路線の維持対策についてであります。
鹿児島空港が来たるべき二十一世紀に向けて、南九州の拠点空港及び我が国のゲートウエー空港として確固たる地位を築いていくためには、国内線の充実とともに、国際線の維持拡充が欠かすことのできない必須の条件であります。
そのうち、ソウル線につきましては、韓国の通貨危機を契機に韓国内の海外旅行が自粛されたことから、韓国からの利用者が激減したものの、知事や県議会、県内の市町村、企業団体など県民一丸となった利用促進への取り組みが実を結び、ことしに入って利用率の向上が図られてきたとお聞きしております。
また、香港線についても中国返還後の香港離れやホテル代の高騰などにより利用客の減少が進み、一時期路線の維持が危惧されましたが、県や経済界などが中心となって展開した路線存続キャンペーンが功を奏し、七、八月の往復利用率は八〇%台までに回復し、来年三月までの運航継続が決定したようであります。これら鹿児島空港の国際線は、「魅力あふれる南の拠点かごしま」を目指す本県にとりまして、韓国、中国との交流拡大や、本県の観光振興を図る上で極めて重要な路線であり、いささかなりとも欠かすことのできないものと強く認識いたしております。
そこで、鹿児島空港の国際線の最近の利用状況と、利用促進に向けた今後の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。
次に、錦江湾みらい総合戦略についてお尋ねいたします。
城山に登り錦江湾と桜島が織りなす壮大で、風光明媚な配置の妙味に、いつもながら目を見張る思いがいたします。あたかも一幅の絵とも言うべき、その大パノラマはまさに郷土鹿児島の宝であり、県民の貴重な財産であります。県におかれては、本年度から錦江湾の魅力や価値の総合評価を行い、人々が楽しみ憩える快適な空間として、その利活用の方向性を検討するとともに、利活用の具体的方策や全国あるいは世界への情報発信、方策などにつきまして錦江湾みらい総合戦略を策定し、錦江湾とそのウォーターフロントの積極果敢な利活用を促進することされております。このため、策定に向けた第一歩として、この六月には総合戦略を策定するための組織として県と湾岸十五市町並びに関係団体で構成する錦江湾みらい総合戦略推進協議会を新たに設置され、また八月五日には、この協議会に対して必要な意見、提言を発する十一名の有識者からなる、検討委員会の第一回会合を開かれております。
さらに八月二十九日には、第十五桜島丸を会場として、県民の方々の錦江湾への関心を高めるともに活用策などの方向性を探るため、三百五十名を超える参加を得て錦江湾みらいフォーラムを開催されました。
そこで、これら一連の会議やイベントから得られた成果など、これまでの取り組み状況と合わせて戦略の策定スケジュールについて明らかにしてください。
次に、県内建設業者の育成についてお尋ねいたします。
日本列島総不況と呼ばれるほどの深刻な低迷状態から一日も早く脱却し、景気の浮揚を確実なものとするため、国においては財政再建という史上命題を一時棚上げして、昨年制定した
財政構造改革法の凍結や
総合経済対策に伴う大型補正予算の編成など、一転して積極果敢な景気刺激対策を講じております。
加えて小渕首相の政治公約である本年度の第二次補正予算や来年度の当初予算におきまして、
公共事業予算の大幅確保と切れ目のない執行を確約するなど、景気浮揚に向けた国の取り組みには、まさに不退転の決意のほどを感じ取ることができるのであります。中央では道路や港湾、空港といったこれら公共事業に対し、一部に批判の声もありますが、
社会資本整備の立ちおくれ、公共事業への依存度の高い本県では、これら一連の国の施策に心から歓迎の意を表するものであります。しかも、県におかれては、九月補正で経済対策関連事業百九十七億円を含む公共事業県単公共事業四百三十三億余万円を計上され、その総額は三千四百三十四億円に達し、前年同期を一四%上回ることになっております。しかしながら、県内ではこの公共事業の拡大にもかかわらず、受注が偏在し、特にB、C、D級業者には、その恩恵が少ないという実情にあり、不況にあえいでおります。御承知のとおり、ほとんどが中小企業でありますが、本県経済を支えているのも事実であります。
一方、企業自身もみずから積極的に体質強化を図り、厳しい不況に対処することはもちろん、県としてもその育成保護を図っていくことが肝要であります。
そこで、このような未曾有の景気低迷期でありますだけに、とりわけ今回の景気対策を指針に実効あるものにするため、地元中小建設業者の育成という観点から、公共工事の発注のあり方や、受注機会の拡大についてどのように把握し、どのように取り組んでおられるのか。また企業みずからが積極的に体質強化を図る中で、入札契約手続の透明性の向上など適正な競争環境を整備していくことも必要と考えますが、予定価格の事後公表制度について、どのように取り組んでおられるのかお伺いをいたします。
次に、鹿児島港本港区における離島航路の集約問題についてお尋ねいたします。
鹿児島港は年々その整備が進められ、施設、機能ともに本県の海の玄関口にふさわしい整備が図られてまいりました。しかしながら、来年度に予定されている奄美・沖縄航路の鹿児島新港から北埠頭への移転問題については、県旅客船協会がコンテナ置き場の不足や、離岸及び接岸時の安全を理由に移転を拒否し、協議が暗礁に乗り上げた形になっており、計画どおり移転ができるのかどうか大きな危惧を抱いているところであります。この移転問題が解決しないと南埠頭の整備を進めることはできず、ひいては本港区全体の整備計画にも少なからぬ影響を生じます。このため県におかれては、昨年度から埠頭利用の実態調査を実施され、問題点とされている土地利用、交通渋滞、潮流、風の四点については、いずれも基本的には支障はなく、大筋では旅客船協会等の理解もいただけるのではないかとのことでありましたが、先般、北埠頭を利用している発着船の船長等から安全性に問題があると指摘をされたところであります。
そこで、指摘された安全性に対する県の見解とあわせて、一日も早い移転・合意を願いつつ、現在の協議の状況と今後の見通しについてお聞かせください。
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知事須賀龍郎君登壇]
24 ◯知事(須賀龍郎君)宇宙往還機の開発につきましては、国は従来から技術試験用でありますホープXの着陸場につきましては、
クリスマス島を候補地として検討してきておりますが、実用段階の宇宙往還機開発計画につきましては、ホープXの技術試験の結果を踏まえまして、今後検討する方針であると聞いております。今回の報道につきまして国に確認いたしましたところ、キリバス共和国と土地の借用について交渉はいたしておりますものの、まだ合意には達していないということでございました。
また、実用段階の宇宙往還機開発計画につきましては、ホープXの試験結果を見て、今後検討するということになるということでありました。本県が馬毛島に誘致を要望しております宇宙往還機着陸場は実用段階のものでございまして、まだ国はこの着陸場の建設場所につきましては国内外の適地につきまして、検討を行うこととしておりまして、今後とも関係市町、関係団体とも一体となりまして
県開発促進協議会等を通じまして、その実現に向けてさらに強く要望してまいりたいと考えております。
種子島宇宙センターの位置づけにつきましては、国は、宇宙開発計画に基づきまして、種子島宇宙センターにおいて、人工衛星及びロケットの打ち上げ施設の整備を今後とも進めるということであります。また、ロケット推進再使用型宇宙輸送機などの次世代ロケットは、現在研究段階でありまして、今後開発がどのように進められるか明確ではございませんが、国は種子島宇宙センターを我が国のロケットの打ち上げ施設して十分活用していく意向であり、県としてもこの趣旨に沿いまして可能な限り協力をしてまいりたいと考えております。
次は、奄美・沖縄間の航空路線につきましては、エアーニッポン株式会社から、この路線は利用率が低いということから運休したい旨の申し出がありました。このために地元市町村とも一体となりまして、利用促進に努めながら私自身もエアーニッポンを訪問するなど、同社に対しまして運航を継続するよう強く要請をしてきたところであります。しかしながら、エアーニッポンによります同路線の継続運航は極めて困難な状況にあります。これまで国や沖縄県などと緊密な連携のもとに、ほかの航空会社の小型機によります運航についても検討をしてまいりましたが、この路線につきましては現在、琉球エアコミューター株式会社が小型機によりまして、運航に空白期間が生じない形で、来年の早い時期に路線を引き継ぐ方向で現在、関係機関等と協議を進めているところであります。この路線は、地元住民や観光客にとりまして極めて重要な路線でございますので、今後とも関係機関、団体と一体となりまして路線の維持が図られるよう、さらに努力をしてまいりたいと考えております。
離島空路整備法の制定につきましては、これまで
県開発促進協議会や関係六道県で構成いたしております離島航空路問題協議会等を通じまして、国に対しまして法律を制定し、離島航空路線に対する
運航費補助制度の創設や機材購入費補助の拡充等を行うよう強く要請をしてきたところであります。国は、平成十一年度政府予算の概算要求におきまして、法律に基づくものではございませんが、特定の離島航空路線に対する
運航費補助制度の創設、航空機燃料税や着陸料の軽減など離島航空路線の維持確保を図りますための総合的な支援方策を講じることといたしております。
離島空路整備法の制定につきましては、今後とも関係国会議員、関係機関、団体との緊密な連携を図りながら国に対しまして新たな法律の制定につきまして、さらに強く働きかけてまいりたいと考えております。
次は、県内建設業の育成は本県の産業振興や社会基盤の整備促進を図る上からも重要な課題であり、県では国の
総合経済対策や県内経済への配慮から、平成十年度
公共事業等の上半期契約目標率を八二%に設定いたしますとともに、補正予算によります公共事業や県単公共事業の予算確保に努めてきたところであります。しかしながら、県内の中小建設業者におきましては、民間工事が減少していることや、災害復旧事業が前年度に比べまして大幅に減少していることなどから、厳しい状況にあると認識をいたしております。このようなことから、
公共事業等の発注に当たりましては、公募型指名競争入札の対象額をこれまで五億円以上でありましたものを、三億円以上に引き下げることといたしまして、現在、その事務処理期間の短縮等につきまして検討を行っているところであります。また、県内の中小建設業者の受注機会の増大を図る観点から分離分割発注等によりまして、県内業者への優先発注に、さらに努めてまいりたいと考えております。
次は、予定価格の事後公表についてでありますが、入札、契約手続の透明性の一層の向上や建設業者の積算能力の向上に資する面もありますので、現在、県の入札手続等改善検討委員会におきまして、予定価格の事後公表の対象、公表の方法等について最終的な取りまとめを行っているところであります。できれば平成十年十一月一日から、この予定価格の事後公表を実施してまいりたいと考えております。